ティケ
翻訳家の文才越しだからか、あるいはドイツ人らしい?「有機的なちょめちょめ」が普通に出てしまったのかは知らないが「文芸作品」になっていると思う。ドイツ語なら短編かな。登山しない人でもドイツ文学として読めると思う。内省的、と日本人なら言うのだろうが、正確には、正直さ、誠実さ、というものなのだろう。メスナーがさらされている現実を感じることが出来る作品だ。
命がけの好奇心
面白かった。 以前から、舟で遭難し極限状況を体験した生還者の手記などには興味津々だった。なぜなら、そういった生死の境における内面の葛藤を疑似体験したいということもあるが、極限状況における生存者の記録は、人間という生き物の可能性について、日常生活では決して知り得ない貴重な真実を教えてくれるからである。 なぜ彼は単独で、最小限の装備で「死の地帯」に挑んだのだろう。そして、なぜ彼がそれを成し遂げることが出来たのだろう。その答えは以下の彼のセリフに集約されている。 「たいていの人間は、自分の体で確かめてみるということに興味を示さない。純粋な生きる喜びを得るための苦労と意志力を進んで引き受けようという考え、この世のことを知ろうとして夢中になること、謎はただ気晴らしのために解くものだという精神、こういった考えが彼らにはできないのである。いや、彼らにはすぐ使えるとか、すぐに役立つといった実際的な仕事でなければならないのだ。現実的な効果がない純粋な思考、純粋な苦労、純粋な知識欲というものに、たいていの人は興味を示さない。」
山と溪谷社
ラインホルト・メスナー自伝―自由なる魂を求めて マロリーは二度死んだ 星と嵐―6つの北壁登行 (yama‐kei classics) ビヨンド・リスク―世界のクライマー17人が語る冒険の思想 夏の朝の成層圏 (中公文庫)
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