台湾問題は日本問題



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日本人に戦略的発想を

著者が本書で述べているように、台湾問題は日本の将来を左右するダイナミックな問題です。その本質を理解するためには、東アジアの地政学的・歴史的背景を学ぶ必要があります。
一般論として、一国の指導者が国家国民の繁栄を確保するためには、国家存立の要諦を定め、常に国益を重視する姿勢が必要です。外交とはまさに国益の衝突であり、生存のためには戦争も辞さない、厳しい世界であることは言うまでもありません。有史以来、人類の営みに変わるところはありません。冷徹な言葉でいえば、私たちは弱肉強食の世界で生きているのであり、その歴史から目をそらす訳にはいきません。しかし、戦後半世紀以上にわたって平和を謳歌してきた日本人には、その厳しさを理解するのは困難かもしれません。
そうした意味で、日本の戦略構築にとって最大の障害は、憲法第九条に代表される「自虐的平和主義」であり、その枠を超える発想を罪悪視する風潮にあります。何故なら先の大戦で受けた惨禍があまりにも大きく、戦争への贖罪意識が強いためです。これに加えて、私たちは日本を取り巻く地政学的・歴史的背景を、有機的かつ複合的に教育されているとはいえません。国家を敵視する左翼史観も、戦略構築を妨げてきた元凶といえるでしょう。
本書は台湾問題を通して、日本人に戦略的発想を持って欲しいという著者の願いが込められているのです。



海竜社